不動産売却 一括査定サイトの弊害
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2025.07.29
不動産の売却を検討してインターネットを見てみると多くの一括査定に出くわすことでしょう。この一括査定サイトというのは、物件所有者が査定依頼とすると、査定会社に加盟している会社に物件情報が届くシステムとなっております。大体1査定に対して6社から10社にその情報がいくので売主様は多くの営業を受ける羽目になってしまいます。査定会社は加盟している会社から1案件につき大体1万5千円ほどの料金を受け取り、これが査定会社の売上となっております。査定会社からするとより多くの査定を依頼されることが売上に繋がりますから、その広告は派手なものになりがちです。あるSNSでは、A社とB社では査定額にこんなにも違いが、買ったときよりも倍の金額で売れた、30年ぶりの不動産バブル、売った金額で新築に買換え余ったお金で新車も購入、などなど。(上記のような謳い文句に反論はありますが、ここでは控えます)
そもそも不動産の査定というのは、車を売るときのようなものではありません。車の場合は査定額=買取り価格ですが、不動産売却の場合の査定は市場に出して売却する場合の価格になりますので、絶対的な金額ではありません。おそらくこれくらいの金額で売れるであろう価格ですので、結局は市場に売りに出してみなければ誰にも分かりません。また、査定サイトでは会社によってこんなにも違いがと煽ったりしておりますが、我々プロが査定した場合の金額差はほとんどありませんし、またその査定額についても絶対的なものではないので、そこまで金額に一喜一憂する必要もありません。例えば、A社B社の査定が4000万円で、気に入ったC社の査定が3900万円だったとした場合。高い方のAかB社にしそうですよね。ただ買取りではないので、その金額で売れる保証はありません。この場合、相性がよさそうなC社に4000万円で売り出して貰えばよいだけの話しです。また付け加えると、一括査定の場合の査定は、依頼を受けた会社も一括査定からと分かっているので、査定が甘くなりがちな点も覚えておくと良いと思います。本当の相場は3800万円位だけと、競合会社も多いので、少し高めに伝えて売主様の気を引くのはよくあることです。ですので、一括査定は便利ですが、金額だけに目を奪われることがないようにその他の点にも注意して依頼する会社を選択をするのが失敗しない不動産売却に繋がるかと思います。一括査定の利用の仕方としては大体の査定額を知るという意味では良いかと思いますが、6社以上から見積りを取るのは結構な労力が必要で、あまり意味があるとは思えません。2~3社に聞けばおよその金額は分かるかと思います。ここまでの話しは一般的な市場で売りに出した場合のケースです。ちなみに不動産の場合も買取り査定というのもございますが、売値は大分安くなります。買取りをご希望の場合は、その旨をお伝え頂ければと思います。